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更新日:2023/03/21

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

外壁の凍害とは?劣化症状と対策方法

【この記事の要約】

凍害は、水分が外壁内部に浸入することが原因で、ヒビ割れや剥がれなどが発生する現象です。あまり聞きなれない言葉かと思いますが、建物に大きなダメージを及ぼす症状なので非常に注意が必要です。

凍害の写真 凍害とは、目に見えない小さな隙間から入り込んだ水が、凍結と溶解を繰り返して建材にダメージを与え、最終的に凍結の膨張に耐え切れなくなり、ヒビ割れや剥がれを引き越す現象のことです。

コンクリートや窯業サイディングで発生しやすく、建物に甚大な被害をもたらので早めの対処が重要です。

凍害が発生しやすい地域

凍害は、暖かい地域も含め、全国で発生しています。

特に北海道や東北、北陸などの寒冷地では発生する確率が高く、発生した際の被害も大きいです。

凍害の原因

凍害の主な原因は、経年劣化による防水性能の低下です。

通常は塗膜が防止の役割をしているので、小さな隙間に水分が入ることはありませんが、塗膜の経年劣化によって防水機能が失われることで、小さな隙間に水が侵入して凍害が発生します。

被害状況の推移

凍害は被害状況によって「ポップアウト→微細凍害→スケーリング→崩壊」と推移していきます。被害が小さい段階で対処することで、建物へのダメージと補修費用を抑える事ができます。

ポップアウト

凍害の初期症状で、建材の表面が円錐状に薄く剥離する症状です。

微細ひび割れ

建材の表面にうろこ状のヒビ割れが発生する症状です。

スケーリング

建材の内部から剥離する症状で、最低気温がマイナス2度以下で発生しやすいです。

崩落

剥離した建材の塊が崩れ落ちる症状です。崩落すると、建材の内部に直接ダメージが発生するので、建物に甚大な被害をもたらす状態です。

この状態で放置をすると、大規模な補修工事が必要になるので、注意が必要です。

凍害が発生しやすい箇所

凍害は、水が溜まりやすい部分と、寒暖差があって結露が発生しやすい部分で発生しやすいです。次のような箇所は特に注意が必要です。

水周りの外壁

風呂、台所、洗面所などの水周りは、湿気が多いため結露が発生しやすいです。結露の水分を外壁が吸収して、凍害に繋がります。

サッシの周り

アルミサッシは、暖房によって結露が起こりやすく、長時間続く傾向があるので水分が発生します。この水分によって、サッシ周りで凍害が発生しやすいです。

サイディングの目地周り

サイディングの目地は、シーリングによって防水がされていますが、経年劣化によってヒビや隙間が発生します。そこから内部に、水分が入り凍害が発生します。

日が当たらない外壁

建物の北側などの日が当たらない箇所は、雨が乾きにくいため、凍害が発生しやすいです。

直貼り工法のサイディング

サイディングの直貼り工法は、水分が溜まりやすい構造なので、凍害が起こりやすいです。

凍害を防ぐ対策

凍害を防ぐ方法として、次のような対策が有効的です。

定期的な塗り替えを行う

凍害を防ぐには、防水性能を保ち水が隙間に入らないようにします。そのため、塗装の防水性能が劣化する前に塗装を行うことが重要です。

水切りを付ける

サッシや窓に水切を付けて、凍害の原因となる水を外壁に伝わらないようにします。

定期的にチェックする

凍害の被害は、徐々に大きくなっていきます。早期発見をすることで、建物への重大な被害を防ぐことが出来ます。

半年に1度くらいのペースで、凍害が起こりやすい箇所のヒビ割れや劣化のチェックをすることをオススメします。

凍害の対処方法

凍害が発生している場合は、以下のいずれかの方法で補修します。

部分補修

ポップアウトや微細ひび割れは、部分的にパテなどで補修を行い、水の侵入を防ぎます。但し、根本的な対策にはなっていないので、あくまでも応急処置です。

塗り替える

塗装によって防水機能を取り戻します。ヒビや欠損している箇所は補修した上で塗装を行います。

新しく作り直す

最も効果的な方法は、凍害の部分を新しく作り直す、もしくは張り替えることです。新しい建材は、耐久性と防水性が高いので、凍害のリスクを減らすことができます。

凍害が発生した場合の補修費用

凍害が発生した時の補修費用は、補修方法や範囲によって異なります。

部分補修の場合は5万円~10万円、外壁の全面塗装で50万円~70万円が相場となります。また、貼り替えを行う際は、新しくする範囲によって100万円~200万円程かかることもあります。

まとめ

凍害とは、建材の内部に浸入して水分によってひび割れや剥がれが発生する現象を指します。

美観の低下だけではなく、建物全体に大きなダメージを及ぼすため、凍害を発見した時は早めの対処が必要です。

特に寒冷地や水が溜まりやすい場所、結露が発生やすい部分は、凍害が起きやすいので注意しましょう。

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