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シロアリの種類と駆除方法
雨漏り二次災害として深刻な被害をもたらすシロアリ。その恐ろしさを知っていれば、雨漏りの疑いがあるときに放置する危険性を理解できると思います。ここではシロアリの種類と対策についてご紹介します。
雨漏りとシロアリの関係性
シロアリは湿った木材を好んで食べるため、雨漏りしている建物はシロアリにとって最適な環境です。また、シロアリはどんどん繁殖していくので、それに伴って被害も拡大していきます。
このように、雨漏りとシロアリには密接な関係があり、シロアリが発生する原因の約80%が、雨漏りによるものだと言われています。
シロアリの発生を抑えるためにも、雨漏りが発生しないように対策することが重要です。
シロアリの種類によって被害の大きさが異なる
雨漏りのチェック観点と同様に、以下のような現象があったらシロアリ発生の可能性があります。
・春~夏にかけて羽アリを沢山見た
・ご近所でシロアリ駆除をしているお宅があった
・床がフワフワと浮く、もしくはギシギシ軋む
・雨漏りや水漏れなどがある
・床下の湿気が多い
いずれかに当てはまる場合は、シロアリの可能性を疑いましょう。
まず押さえておきたいのは、シロアリはアリとは全く別の種類の昆虫で、住宅に被害をもたらす存在であるということです。木(セルロース)を主食とし、倒木を分解する役割を担う自然界では非常に重要な存在ですが、普段は木の表面には出てこないため、目にすることはありません。
初めて目にしたときに、シロアリだと認識できないこともあるかと思いますので、まずはシロアリとアリの見分け方を紹介します。
<シロアリを見分けるポイント>
アリとシロアリを簡単に見分ける方法は、羽のサイズです。
アリの羽アリは前後の羽のサイズが違い、シロアリの羽アリは前後の羽のサイズが同じです。
このポイントを覚えていれば、簡単に見分けることができます。シロアリをアリと勘違いして見過ごすことのないよう注意しましょう。
<九州以北に生息するシロアリ>
次に、シロアリの種類です。種類によって被害の大きさや駆除方法が異なりますので、こちらも重要です。
種類 | 特徴 |
ヤマトシロアリ | ・淡黄色もしくは淡黒色。 ・北海道以外の日本全国に広くに生息。 ・湿った木材を好み、地上に近い部分に被害をもたらす。 |
イエシロアリ | ・茶褐色もしくは淡黄色。 ・主に千葉以西山口県にかけての海岸沿い、四国、九州に生息。 ・湿った木材に限らず、甚大な被害を及ぼす。地上から屋根裏まで広く加害。 |
アメリカカンザイシロアリ | ・頭と背中の一部は赤褐色、その他は黒色。 ・主に千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、広島、鹿児島に生息。 ・外来種で床下から侵入するではなく外から飛来してくるため予防が困難。 |
いずれも春から秋にかけての急激に気温が上がる時期に大量発生します。雨漏りによって浸水した屋根などは、まさにシロアリの温床です。
予防策として、日頃から雨漏りや腐食等がないか点検することと、シロアリの集まる木材を床や庭に置かないようにすることが大切です。
ただしアメリカカンザイシロアリに関しては、通常のように床下から侵入するとは限らないため、予防策が確立していません。専門業者に相談して対策を決めましょう。
シロアリが発生しているか確認する方法
次のような現象がみられる場合は、シロアリが発生している可能性あるので注意しましょう。
蟻道がある
蟻道とは、シロアリが外から建物内部に侵入するために、排泄物や土などで作るトンネルのことです。家の周囲に蟻道が作られている場合は、シロアリが発生している可能性があります。
注意点として、蟻道を見つけた時は壊さずに、そのままの状態で専門の業者に調査を依頼するようにしましょう。蟻道を壊してしまうと、シロアリの侵入経路が特定できずに、被害状況を把握するのが難しくなります。
建物内を叩くと乾いた音がする
壁や柱などを叩いた時に乾いたような音がする場合は、シロアリに木材を食べられてしまい、内部に空洞ができている可能性があります。
また、床がきしんだり、ふかふかする場合も要注意です。
羽アリが発生している
室内で羽アリが発生している場合は、すでにシロアリが繁殖している可能性が高いです。
黒アリの場合は羽の色も真っ黒ですが、シロアリの羽は真っ黒ではありません。また、前述したように、シロアリの羽アリは前後の羽のサイズが同じという特徴があります。
床に糞や木くずが落ちている
シロアリは木材の食べながら移動するため、シロアリが発生している場合は室内に糞や木くずが落ちていることがあります。
木くずの近くに0.5~1mm程度の砂粒状の糞を見つけた時は、シロアリの発生を疑うようにしましょう。
水道代が上がっている
シロアリ被害によって排水管から水が漏れ出し、水道代が高額になってしまうケースもあります。急に水道代が上がった時は、上記のようなサインも併せてチェックしてみましょう。
シロアリによる建物への被害
シロアリによる建物への影響は非常に大きく、柱や壁などの建物内の木材に小さな穴が開いたり、外壁材が剥がれてしまう恐れがあります。
さらに、建物を支える柱や床下の木材が食べられると内部に空洞が生じ、それによって建物の耐震性が低下する被害にも繋がります。最悪の場合、シロアリによる被害で耐震性が低下していたことが原因で、地震の発生時に建物が倒壊する危険性もあるので注意が必要です。
また、シロアリによる被害が大きくなると、柱や外壁、土台など建物のあらゆる箇所の改修工事が必要となり、大規模な工事になるほど費用も高額になってしまいます。
状況によっては数百万円かかるケースもあるので、費用を抑えるためにも、気になる点がある場合は早めに専門業者に相談することが大切です。
シロアリ予防と駆除は薬剤で処理
シロアリの予防と駆除には、専用の薬剤を地下や屋根などに塗布することが基本になります。処理する場所によってそれぞれに適した方法で塗布します。

流れとしては、まず土台や柱、屋根などのシロアリの被害が直接ある木部に、ドリル等で穴を開けて薬剤を注入します。さらに表面にも薬剤を噴射して、シロアリの侵入経路を塞ぎます。
そして次に、シロアリが生息している土中の処理も行います。床下に潜り、土に薬剤を噴射し、根絶させます。
最後に、シロアリ発生箇所が覆われている玄関や浴室などは、タイル部分に穴を開けて薬剤を注入し、セメントなどで埋めて完了です。
実際に発生してからの駆除には、調査の費用、処理の費用、被害箇所の復旧作業の費用等、かなり費用がかさんでしまいます。そのため、日々のチェックと予防が大切です。薬剤の処理は、シロアリが発生するまえに、予防として行っておくと安心です。
ご自身での駆除は要注意!なるべく専門業者に相談を
シロアリの駆除を行う場合は、発生箇所すべてを処理しなければ、シロアリは移動してそのまま生息し続けます。シロアリ発生箇所を特定し、効果的に駆除する作業は、お客様ご自身が市販の薬剤で処理する方法では大変困難です。
もしシロアリかどうかもわからず、虫がいたからとりあえず家にある殺虫剤を吹き付けてしまった、などの場合、シロアリが警戒して逃げてしまう可能性が高いです。警戒したシロアリは別の場所に再び巣を作るため、居場所の特定が難しくなってしまいます。
大切なお住まいを守るためにも、ご自身でなんとかしようとせずに、経験豊富な専門業者に依頼することをお勧めいたします。
まとめ
雨漏りとシロアリには密接な関係があり、シロアリが発生するのは主に雨漏り原因と言われています。シロアリの発生により内部の木材が食べられてしまうと、外壁材が剥がれたり、建物の耐震性が低下する恐れがあるため大変危険です。
シロアリの発生を抑えるためには、まず雨漏りを発生させない、雨漏りを放置しないということが重要となります。そして、万が一シロアリが発生した場合も、放っておかずに適切に対処することが大切です。
室内で木くずや羽アリを見つけたり、建物に蟻道が作られている場合は、早めに専門業者に相談するようにしましょう。
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