ウッドデッキの劣化と塗装費用
鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。
宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。
児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。
目次
ウッドデッキとは?
ウッドデッキとは、屋外に設置するデッキスペースのことで、木材や木材と樹脂を合わせた合成木材などで作られています。
日本では、1980年頃のバブル経済から別荘やホテル、店舗などで取り入れられていきました。その後、海外の建築様式が普及し始めたことにより、一般住宅でもハウスメーカーから設置の提案がされるようになりました。
ウッドデッキの良い点
部屋が広く感じるようになる
ウッドデッキは一般的にリビングの横に設置されるので、部屋が広く感じられ解放感があります。
洗濯物や布団を干すスペースにも活用できる
洗濯物や布団を干す際もとても便利です。段差がないので、重たいものを持ちながらでも移動がしやすくなります。
視線対策になる
屋根や目隠しフェンスを設置することで雨を防いだり、外部からの視線対策もできます。
バーベキューやガーデニングスペースになる
屋外でのバーベキューや、お子さんやペットと遊ぶ空間として利用したり、プランターや鉢などを置いてガーデニングを楽しむこともできます。
ウッドデッキの悪い点
使用する木材にもよりますが、直射日光を浴びたり、雨にあたることで劣化するスピードが早くなります。雨が降った後に、十分に乾燥がされていないとカビや害虫が発生することもあります。
ウッドデッキにテーブルや、観葉植物などを置いている場合も注意が必要です。物を置いたままにしていると、ホコリや湿気が原因で腐敗しやすくなります。
メンテナンスを怠ると、ささくれやひび割れなどが起こり、怪我をする危険性もありますので注意が必要です。
ウッドデッキの種類
ウッドデッキの種類は、大きく分けて天然木と人工木の2種類になります。
天然木
天然木とは、名前の通り天然の木を使用した素材です。
その中でもハードウッドとソフトウッドの2種類に分けられます。特長は異なりますが、木材特有の質感や木目を楽しむことができます。
ハードウッド
ハードウッドは水分を吸水しにくいので、腐食やシロアリなどに強く耐久性があります。
無塗装の場合でも数十年持つと言われています。ソフトウッドと比べ、数年おきに塗装をする必要がないので、手間はほとんどかかりません。
ただし、硬い素材になるため、加工がしにくくひび割れやささくれが起きやすくなります。また、耐久性には優れていますが、価格は高くなります。
主な木材…ウリン、イタウバ、イペ、サイプレス、セラガンバツー、アマゾンジャラ
ソフトウッド
ソフトウッドは柔らかく加工がしやすい素材で、ささくれも起きにくいです。
価格も安く、ホームセンターなどでも手に入れることができます。ですが、数年おきに塗り替えが必要になるので、メンテナンスに費用がかかります、
また、水分を吸水しやすいので、耐久性はハードウッドに比べると劣ります。メンテナンスを怠ると1~2年で腐食していき、長くても5年ほどの耐久年数になります。
主な木材…レッドウッド、レッドシダー、サイプレス、SPF材
人工木
人工木とは樹脂と木粉などを混ぜ合わせて作られた素材です。近年では、人工木で作られたウッドデッキが多くなっています。
人工木の特徴は耐久性の高さです。湿気や日焼けにも強く、原料にプラスチックを使用しているため、シロアリが発生する心配もありません。
腐食しにくいので、天然木と比べ劣化のスピードは遅くなります。塗装の必要もないので、メンテナンスに手間がかかりません。ですが、汚れが付着したまま放置をすると、カビが発生する可能性があるので水洗いやデッキブラシなどで手入れは必要です。
また、人工木は熱を吸収するので、夏場や直射日光が当たり続けているときは、表面の温度が上がり熱くなるので注意が必要です。
ウッドデッキの劣化症状と塗り替え時期
ウッドデッキの劣化症状
ウッドデッキの主な劣化症状として、トゲやササクレ、ひび割れなどがあります。
トゲやササクレは、サンドペーパーや電動サンダーで表面を削り、さらに塗装をすることで補修ができます。ひび割れや反りは、状態によって底が抜ける可能性があるので、劣化している板のみを交換します。
また、劣化が広範囲にわたる場合や腐食している場合は、一部補修ではなくウッドデッキ自体の交換が必要になります。
ウッドデッキの塗り替え時期
塗り替えの時期は使用する木材によって異なりますが、全体的に色あせてグレー色になり、白くぼけている状態になったら塗り替えのタイミングです。
一般的には、3~5年を目安に塗り替えを行うことで、ウッドデッキを長持ちさせることができます。ですが、劣化具合は立地条件や天候によっても変わってくるので、1~2年で塗り替えが必要な場合もあります。
また、木材によっては1回目の塗り替えを早めに行うことで、耐久性が高くなることもあります。ウッドデッキを設置をした業者に確認するようにしましょう。
ウッドデッキにオススメの塗料
ウッドデッキの塗装には、屋外木部用の塗料を使用します。その中でも様々なタイプがあり、塗料によって特性が異なります。
浸透タイプ・造膜タイプ
浸透タイプ
浸透タイプとは、ステイン系塗料とも言われている塗料です。
塗料が木材に浸透して内部から害虫やカビ、腐敗などを防いでくれます。塗料が木材に滲み込むので、木目を隠すことなく塗装できます。木材の質感や木目を楽しみたい方にはおすすめです。
耐久性・耐水性は造膜タイプに比べやや劣りますが、塗膜の剥がれやひび割れの心配はありません。
造膜タイプ
造膜タイプとは、いわゆるペンキと呼ばれている塗料です。
木材の表面に塗膜を作るので木材を保護し、ウッドデッキに水が滲み込まないようにします。塗装をすると木目が隠れてしまいますが、耐久性・耐水性には優れています。
ただし、日光が直接当たる場所では、1年ほどで塗膜が剥がれたりひび割れを起こします。そのため、劣化した部分から水が滲み込むので、木材を腐らしてしまう可能性があります。
水性タイプ・油性タイプ
基本的に、ウッドデッキを塗り替える際は、前回の塗料が水性であれば水性、油性であれば油性の塗料を使用します。ただし、前回の塗装から年数が経っている場合は、異なるタイプの塗料に変更することができます。
水性タイプ
水性タイプは、塗料を薄める時や、ハケを洗う時に水を使用します。臭いが少ないので小さなお子さんがいる場合や、臭いが気になる方にはおすすめです。
また、水を使用するので油性タイプに比べ扱いやすく、DIY初心者の方も手軽に使用できます。
耐久性は、油性タイプと比べるとやや劣りますが、近年では性能の高い水性タイプの塗料も発売されています。
油性タイプ
油性タイプは、塗料を薄める際にペイント薄め液やシンナーを使用します。
水性タイプに比べ耐久性が高く、木材に密着しやすい塗料です。また、塗料の効果が持続すると言われています。乾燥が早いので、広範囲で塗装を行う場合は、作業時間が大きく変わってきます。
油性タイプは臭いが強い塗料です。個人差はありますが、周囲に不快感を与えることがあるので注意が必要です。
ウッドデッキの塗装工程
ウッドデッキの塗装工程は「清掃」→「塗装1回目」→「塗装2回目」になります。
塗装をする前にデッキブラシや、高圧洗浄機などを使用してウッドデッキの汚れを落とします。木材が湿ったまま塗装をすると、塗膜が剥がれやすくなるのでしっかりと乾燥させます。
塗装をするときは、塗料が分離していることがあるので、よく混ぜてから使用します。1回目の塗装を終えたら、しっかり乾燥をさせて2回目の塗装を行います。
ウッドデッキを塗装する費用相場
費用相場は一般家庭に設置している大きさの場合、20,000~80,000円になります。㎡当たり4,000~6,000円です。
ただし、使用する塗料や木材、ウッドデッキの大きさによって金額は異なります。
ウッドデッキはDIYと塗装業者に依頼はどちらがいいか?
ウッドデッキの塗装は比較的DIYしやすく、業者に依頼するよりも費用を抑えることができます。「費用を抑えたい」「DIYに挑戦したい」という方にはおすすめです。
ですが、塗料をムラなく均一に塗装するのは、素人には難しい作業です。塗料や道具の準備なども必要になります。
手間をかけずにしっかりと塗装を行いたい場合は、塗装専門の業者に依頼をしたほうが安心です。