鈴木良太【編集者・サイト管理人】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。
宇野清隆【株式会社カルテット代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。
児玉圭司【株式会社児玉塗装代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。
外壁塗装を行う際は、書面にて契約を交わすことがとても重要です。
契約書は難しい言葉で細かく記載されているので、業者に言われるがまま契約進めてしまいそうになるかもしれませんが、ご自身や大切なお家を守るためにも、内容をしっかりと確認しておく必要があります。
このページでは、外壁塗装で契約書を交わす目的と、契約時に交わす書類のチェックポイントについて説明いたします。
外壁塗装では必ず契約書を交わす
外壁塗装を行う場合は、必ず契約書を交わすようにしましょう。契約書が必要な理由は、大きく分けて次の点が挙げられます。
契約内容を明確にする
ず一つ目の理由は、契約内容を明確にすることです。工事内容や金額などを書面に残すことで、お客様と業者で認識の違いがないかを確認できるようになります。
契約書を交わしていなかったために起こりうるトラブルは、以下のようなケースがあります。
・工事前に聞いていた金額よりも費用が高くなっていた
・塗装してくれると思っていた箇所が、塗装の範囲に含まれていなかった
・前金が必要とは聞いてなった
契約書は工事に関する取り決めをまとめた書類になるので、しっかりと契約書を交わして内容を確認しておければ、これらのようなトラブルは避けられるでしょう。
トラブルを防ぐ
契約内容を明確にするという話にも繋がりますが、契約書を交わすのには、トラブルを防ぐ目的もあります。
外壁塗装でよくあるのが「言った・言わない」のトラブルです。契約内容や工事内容すべてにおいて、口頭での約束はトラブルの元となるため、書面にして証拠を残しておくことが大切です。
また、契約書にはトラブルが起きたときの対処についても記載しているため、書面に残しておければ、万が一トラブルが発生してもスムーズに対処できます。
外壁塗装の契約時に交わす書類
外壁塗装の契約をする際は、一般的に次の5つの書類を交わします。
業者によっても書類の種類は変わってくるため、もし不足しているものや不明なものがある場合は、どのような書類なのか聞いてみるようにしましょう。
工事請負契約書
工事請負契約書は、契約時に最も重要となる書類です。フォーマットは業者によって異なりますが、記載すべき項目は建設業法で定められており、以下の内容が必ず書かれています。
・工事内容
・工事場所
・工事を行う期間
・契約日
・契約金額
・支払い条件(支払い方法、支払するタイミングなど)
・保証内容(保証の範囲、内容、期間など)
・施主と業者それぞれの署名、捺印
契約書に署名、捺印をする際は、上記の内容が記載されているかを確認し、見積書の工事内容や金額とも相違が無いかチェックするようにしましょう。
請負契約約款
請負契約約款とは、上記の工事請負契約書の内容についてさらに詳しく記載した書類です。
例えば、「工事終了後に不具合が見つかったときはどうするのか?」「工期の変更が必要になった場合はどうするのか?」「契約者以外の第三者に損害与えた場合はどうですか?」などといった内容が記載されています。
その中でも特に重要なのが、クーリングオフに関する説明です。クーリングオフとは、契約から8日以内であれば契約解除できる制度のことです。万が一悪質な業者と契約してしまった場合は、クーリングオフを利用して契約を解除できます。
外壁塗装では、悪徳業者や訪問販売業者によるトラブルが多発しているため、クーリングオフの記載についてもしっかりと確認しておくことが大切です。
クーリングオフに関する説明は、赤い枠の中に赤い文字、8ポイント以上の文字の大きさで記載するように法律で定められています。もしクーリングオフの記載がなかったり、業者に「クーリングオフはできない」と言われた場合は要注意です。
また、請負契約約款は専門用語で細かく書かれており、内容をすべて理解するのは難しいと思います。しかし、そこに付け込んで業者が優位になる内容を作成するような悪徳業者もいるため、内容をしっかりと確認し、わからない点は業者に説明を求めるようにしましょう。
請負代金内訳書
請負代金内訳書には見積書と同じような役割あり、工事にかかる金額の内訳が詳細に記載されている書類です。
契約前に貰った見積書と相違がないかをチェックするようにしましょう。もし内容や金額に違いがあるときは、その理由についてしっかりと確認する必要があります。また、数量や単価が詳しく書かれておらず、「一式」と記載されている場合も、きちんと内訳を聞いておくことが大切です。
費用の内訳を確認することで、その作業にいくらかかるのか?がわかるため、適正価格なのかを判断できるようになります。
請求書
請求書には、支払い代金、支払い方法、支払い期日などが記載されています。また、銀行振り込みの場合は、口座番号なども書かれています。
請求書に関しては、工事終了後に発行されるケースもあります。
保証書
保証書とは、工事終了後に不具合が発生した場合に、業者が工事のやり直しや補修をすることを保証するという内容を記載したものです。
口約束では言った・言わないの水掛け論となり、やり直しや補修をしてくれない可能性もあるため、必ず書面にして残しておく必要があります。
また、保証書を確認する際は保証の範囲、対象となる症状、保証期間について詳しく記載されているかも見ておくようにしましょう。
まとめ
外壁塗装で契約書を交わす目的は、施主と業者の認識の違いを確認して、トラブルを回避することです。
契約時に交わす書類にはいくつかの種類があり、工事内容や金額、支払い条件、トラブルが起きたときの対処法など様々な重要事項が記載されています。
内容を理解せずに署名・捺印をすると、トラブルに発展したり、悪徳業者に騙されてしまう恐れもあるので、業者に急かされても焦らずにじっくりと内容を確認するようにしましょう。