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外壁塗装でトラブルが起きてしまった場合の解決方法や相談場所。

更新日:2019/02/02

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

諏訪・高橋法律事務所:高橋智美
私生活では2児の母です。弁護士業をしていて嬉しいのは、起きてしまったトラブルを引き受けることで気が軽くなったと言ってもらえること、依頼者のホッとした顔を見られることです。

高齢化社会への法的な対策は、重要な課題であると考えています。日々事件に取り組みながら、暮らしやすい社会が実現されるように、できることを一つずつやっていこうと思います。

【この記事の要約】

外壁塗装のトラブルは、施工前、施工中、施工直後、施工後数年過ぎた後のトラブルに分かれます。基本的に業者との話し合いで解決しますが、業者が故意に手抜きをするような業者は、相談しても対応して貰えないことが多く、弁護士や住宅リフォーム・紛争処理支援センターへの相談になります。

このページは、現在の外壁塗装業者とトラブルになっている方に向けて、解決策や相談場所を書いています。これから、外壁塗装をする予定でトラブルに合いたくないという方は、「相談実績1万件から導き出した外壁塗装のトラブルを事前に防ぐ方法」で、業者との契約前に注意する点をまとめています。

業者に相談しても対応してくれない場合はここに連絡。トラブルの相談先。

トラブルの相談先には、以下のような場所があります。基本は、業者に相談して解決策を話し合いますが、業者によっては対応してもらえない場合は、以下の機関に相談することをオススメします。

団体名 特徴 電話番号 URL
住宅リフォーム・紛争処理支援センター 国土交通大臣から指定を受けた機関。平成12年以来、累計10万件以の相談実績あり。建築士や弁護士が在籍していて専門的なアドバイスをもらえる。リフォーム専門。 0570-016-100
10:00~17:00(平日のみ)
http://www.chord.or.jp/
国民生活センター リフォーム以外も様々なトラブルの相談に対応している団体。リフォーム専門の相談員がいないこともあり解決に繋がらないことも多い。 地域により異なる。公式サイトから近くのセンターを探せます。 http://www.kokusen.go.jp/
弁護士 法律のスペシャリスト。相談料はかかるが、上記2つで解決できない場合の最後の手段。 - -

よくあるトラブル事例を基に解決方法と相談場所を説明

施工前のトラブル

■契約書を交わす前に足場を建てられた
基本は契約書を交わしてから施工をします。契約書を交わす前に行われた作業は、クーリングオフ期間内に解約すれば、業者負担で全てを元通りにする義務があります。このような業者は、施工もちゃんと行わない可能性が高いです。

【解決方法】
しっかりとした業者の場合は、まずこのようなことがないので、クーリングオフをして全て元に戻してもらうことをオススメします。

施工中のトラブル ≪本人 対 業者≫

■足場を組み立て後すぐに塗装をしない、施工完了後すぐに足場を解体しない
通常は、事前に工程表などで全体の施工スケジュールの説明があります。天気が悪い日には施工できないので遅れることもありますが、その場合でも事前に説明があります。

【解決方法】
業者に相談して状況を確認しましょう。ただし、施工の遅れにより損害賠償などを請求するのは難しいです。

■期限内に施工が終わらない →類似事例を弁護士が解説
天候などが理由で工事が遅れることはよくあります。それ以外の理由で遅れ、何か損害が生じた場合は、損額額を示せれば損害賠償を求めることができますが、戸建住宅の場合は難しい可能性が高いです。

【解決方法】
業者に相談しましょう。期限が多少遅れたくらいでは、弁護士に相談してもあまり意味はありません。

■足場の設置や撤去作業で、植木など何かものを壊された →類似事例を弁護士が解説
これはしっかりとした業者でもよくあるトラブルです。塗装職人は自社職人でも、足場は外注していることが多いのが理由です。物を壊したときのための保険に入っている業者であれば、弁償してもらえる可能性は高いです。

【解決方法】
まずは業者に相談して弁償してもらいます。業者に弁償してもらえない場合は、弁護士に相談しましょう。

■車や植木にペンキが付着した →類似事例を弁護士が解説
多くはありませんが、しっかりと養生をしても稀にペンキが飛び散ることがあります。器物破損と同じく、保険に入っていれば弁償してもらえる可能性は高いです。

【解決方法】
まずは業者に相談して弁償してもらいます。業者に弁償してもらえない場合は、弁護士に相談しましょう。

■塗料の臭いが原因の体調不良
現在の使われている塗料で、内装ではなく外壁の塗装をした場合、住人に健康被害は起きないとされています。ただし、油性塗料の場合、このようなことが起こる可能性がゼロではありません。

【解決方法】
施工中は家の周辺から離れる。もしくは、業者に相談して塗料を水性に変更してもらう。ただし、材料費は追加でかかります。

施工中のトラブル ≪隣人 対 業者≫

■足場の組み立てや撤去の際の騒音による苦情
通常は、施工業者が挨拶状を持ち、隣人に騒音が出る日などを伝えます。万が一、業者が隣人挨拶を行わない場合は、自分で行うしかありません。

【解決方法】
隣人に謝る以外ありません。

■職人の態度による苦情(タバコや話し声など)
しっかりした業者なら、休憩時間に家の近くでタバコを吸うことはしません。ひと昔前ですが、酷い業者は施工中に煙草を吸うこともありました。気になる場合は、煙草を家の周りで吸わないように事前に伝えましょう。

【解決方法】
業者に謝罪しに行ってもらう。ただし、このような業者は対応してくれない可能性が高い。

■高圧洗浄の水や塗料が飛び散ることによる苦情
足場と一緒に養生シートをかけるので、隣の家まで水や塗料が飛び散ることは稀です。

【解決方法】
業者に相談して対応してもらう。万が一、損害賠償などを請求されているて業者が対応しない場合は、弁護士に相談。

施工直後のトラブル

■塗料の色が打ち合わせしたものと違う
色が違うというトラブルには2つのパターンがあります。1つ目は、色見本やカラーシュミレーションなどで決めた色と同じものを塗装したのに、イメージと違ったというパターン。2つ目は、業者のミスにより、指定した色と実際に塗装した色が違うといったパターンです。

【解決方法】
1つ目のイメージが違う場合は、お客様都合なので、追加料金を払い塗り直しをしてもらうしかありません。2つ目の業者側のミスで指定した色と違う場合は、相談して無料で塗り直してもらうか、対応してもらえない場合は弁護士へ相談しましょう。

■3度塗りのところ1.2回しか塗装がされていない
契約書に3度塗りと書かれている場合で、1回か2回塗りされていない場合は手抜き工事です。業者のミスで塗る回数を間違えることはほぼありません。

【解決方法】
業者に伝えて、施工をやり直してもらいます。ただし、故意に塗り回数を減らしている場合は対応してもらえない可能性が高いので、弁護士に相談しましょう。

■ムラ、塗り忘れがある
優良業者でも意外とムラや塗り忘れはあります。

【解決方法】
ムラなどは施工完了後にわかります。引き渡しの際にムラがあることを伝えて、補修してもらいます。

■備え付けの機器が使えなくなった(給湯器、エアコン、テレビなど)
これらは塗装をする際に、ケーブルを抜いてしまい、そのままになっていると起こります。

【解決方法】
施工後にこれらの機器が動作するか必ず確認し、動かない場合は、業者に伝えて直してもらいましょう。

■シャッターが閉まらなくなる
シャッターを塗装することで、シャッターボックスに収納できなくなることがあります。

【解決方法】
業者に伝えて直してもらいましょう。

■途中で追加料金がかかると言われた
本来必要な工事を契約段階では書かず、後で「追加料金を払えば、この箇所も施工します。」ということがあります。例えば、料金を安く見せるために、屋根塗装や付帯部の料金を入れずに契約させ、後から「一緒に屋根塗装もした方がいいですよ。」というようなことです。

【解決方法】
業者は意図的に行っているので、追加料金なしで屋根などを塗装することはまずありえません。もちろん、契約書に書かれていないので弁護士に相談しても解決はできません。事前に、施工箇所を確認してから契約する必要があります。

施工後数年過ぎた後のトラブル

■塗装が剥がれ、鉄部にサビが出てきた
早期に剥がれが発生する原因は、高圧洗浄をしっかり行っていなかった、下地をしっかり補修していなかった、下塗りをしっかり塗装していなかった、塗料をしっかり乾かさないで次を塗った、使用塗料が外壁材に合っていないなどがあります。

また、鉄部のサビはケレンが不十分だった可能性が高いです。原因を上げれば色々ありますが、ほとんどの場合が施工不良です。

【解決方法】
このような施工不良は3年以内に起こりやすく、しっかりした業者なら保証期間内なので業者に言えば無料で補修してもらえます。万が一、保証期間内で対応してもらえない場合は、弁護士に相談しましょう。保証がない場合は、どうすることもできません。

■施工会社が倒産した
計画倒産、予期せぬ倒産などありますが、基本的に倒産してしまった場合は、どうすることもできません。

【解決方法】
会社が倒産すると、保証などもなかったことになるので、どうすることもできません。事前対策として、リフォーム瑕疵保険に扱える業者で契約して、瑕疵保険の契約をする以外に方法はありません。

まとめ

外壁塗装では、様々なトラブルが発生する可能性があるため、万が一のときに備えて解決方法をしておくことが大切です。

もし業者と話し合っても解決できない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターや国民生活センターに相談してみましょう。それでも問題が終結しないときは、費用はかかりますが弁護士に相談するしかありません。

外壁塗装のトラブルに関するお役立ちコンテンツ

ほとんどのトラブルは、対応が良くない業者と契約してしまったがために起こります。ここでは、事前にトラブルを防ぐための方法を解説します。

トラブルを防ぐためにも、外壁塗装工事を行う前にご近所へ挨拶をしておくことは大切です。挨拶の必要性や流れについて解説します。

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