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更新日:2023/06/28

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解説者鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。

宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

外壁・屋根塗装に使用される塗料の種類(グレード)や特徴

塗料選びは、外壁塗装の料金や耐久年数を決めるので重要です。塗料についての知識がないと、業者が提案してきた塗料が本当にいい塗料なのか?が判断ができません。そのため、塗料のグレードごと(シリコンやフッ素など)の耐久年数や価格帯を理解することをオススメします。

ただし、どんなに良い塗料を使っても、業者が手抜きなくしっかりと施工しなければ、塗料が持つ耐久年数を発揮できない点だけは注意が必要です。

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塗料の種類別の単価と耐久性

下記は、塗料の種類別の単価と耐久性です。単価は3回塗り(シーラー等+中塗り+上塗り)の合計単価になります。怪しい業者だと、3回塗りで2,300~3,000円/m2のシリコンを、1回塗りで2,300~3,000円/mと提案してくることがあるので注意してください。

単価や耐久年数に幅があるのは、同じシリコン塗料でもその中でグレードの違いがあったり、各メーカーによっても違いがあるからです。

耐久年数は、あくまでも期待できる耐久年数で、塗料(塗膜)がしっかりと機能することができる年数です。絶対にこの年数まで持つわけではありません。

グレード 耐久年数 m2あたりの単価 代表塗料
アクリル
※使わない
5~7年 1,400~1,600円 オーデグロス
プリーズコート
ウレタン
※ほぼ使わない
8~10年 1,700~2,200円 クリーンマイルドウレタン
水性ファインウレタン
シリコン 人気No1 10~15年 2,300~3,000円 ファインシリコンフレッシュ
クリーンマイルドシリコン 
セラMシリコン2
ハナコレクションシリーズ
ラジカル制御型 人気急上昇 12~15年 2,500~3,000円 パーフェクトトップ
エスケープレミアムシリコン
アレスダイナミックTOP
フッ素 15~20年 3,800~4,800円 ファイン4Fセラミック
クリーンマイルドフッソ
ルミステージ 
光触媒 15~20年 4,200~5,000円 ハイドロテクトカラーコート
無機 20~25年 4,500~5,500円 無機ハイブリッドコートJY
KFスーパーセラ

メーカー発表の耐用年数はあくまで室内でのテスト結果

よく「メーカーのカタログに書いてある耐久年数は絶対に持つんですよね?」と言われますが、それは違います。

メーカーが自社塗料の耐久年数のテストをする場合は、促進耐候性試験と呼ばれる人工の太陽光を浴びせる方法を用いて室内で試験します。

この試験は、自然の太陽光よりも強い光を当てるため、早く数年後の劣化状態を確認できます。試験結果は、JIS A6909耐候形1~3種というようにJIS規格で定められています。

ただし、あくまでも室内の試験なので、塩害や凍害、雨などの劣化を早くする要素が含まれておらず、あくまでもテスト上の耐久年数になってしまいます。そのため、実際に住宅に塗ると思ったより耐久しなかったということがあります。

本来なら住宅と同じ環境で外でテストする暴露試験が望ましいのですが、結果が出るまでに時間がかかるため、各メーカーが促進耐候性試験を採用しています。

促進耐候性試験には、
・キセノンランプ促進耐候性試験(カタログ略語XWOM)
・サンシャインウェザーメーター促進耐候性試験(カタログ略語SWOM

などがあり、今はキセノンランプ促進耐候性試験が多いです。

宮古島などの日光が強いところでテストする暴露試験などもありますが、コストを考えると促進耐候性試験が採用されています。

イメージとしては、自動車の燃費試験と似ているかもしれません。メーカーのカタログに書いてあっても、実際に乗るとそこまで燃費が良くないという経験をしたことがある人も多いと思います…。

【図付き】塗料の成分を解説 ~合成樹脂は塗料の耐久年数を決める重要な要素~

塗料とは、顔料、添加剤、合成樹脂、これらの3の成分を混ぜ合わせたものを言います。各成分は以下のような役割があります。

・顔料:色やツヤを決める役割
・添加剤:塗膜を均等にする塗膜に特別な機能を持たせる役割
・合成樹脂:耐久性などの保護機能の役割

合成樹脂は、耐久年数に関わるので、塗料を選ぶ中で一番重要です。種類は4種類あり、アクリル合成樹脂、ウレタン合成樹脂、シリコン合成樹脂、フッ素合成樹脂に分かれます。

それぞれの合成樹脂は、油性(強溶剤、弱溶剤)、水性に分類され、さらに水性は、1液タイプと2液タイプの2つに分かれます。

もしかすると、「シリコン塗料が主流」「フッ素は高級な塗料」というようなことを聞いたことがあるかもしれませんが、これらは合成樹脂のことを言っています。

言葉で説明するとわかりにくいと思いますので、図にまとめました。

※最近では、無機やラジカル制御型塗料と言われるものも出ていますが、樹脂では分類できないので省いています。

水性と油性(溶剤)の違い

水性と油性(溶剤)の大きな違いは希釈材が、水かシンナーの違いです。水性の場合は水を使用し、強溶剤はラッカーシンナー、弱溶剤には塗料用シンナーを希釈材にすることが多いです。

これにより、耐久年数に違いが出ます。同じメーカーのシリコン塗料で油性と水性の場合だと、油性の方が耐久年数が長いです。

最近では、どちらのタイプも耐久年数が変わらなくなってきてると言われますが、まだ油性の方が長いです。特に雪の降るエリアでは油性をオススメします。

1液タイプと2液体タイプの違い

1液タイプは缶を空ければそのまま使用でき、2液タイプは主剤と硬化剤を混ぜてから使用するタイプになります。

耐久性は、2液タイプの方が高いです。値段は2液タイプの方が1~2割り高くなります。

外壁・屋根塗料の主な機能

外壁・屋根塗装で使われる塗料の中には、特殊な機能が付いた製品もあります。機能の種類はいくつかありますが、一般的によくみられる機能は次のようなものです。

遮熱性

遮熱姓とは、熱を反射させる機能のことで、塗装面の温度上昇を防ぐ効果があります。

屋根に遮熱塗料を使用すれば、屋根裏に太陽の熱が入り込まずに済むため、夏場に室内の温度が上昇するのを抑えられます。

断熱性

断熱性は、熱を伝わりにくくする機能のことです。遮熱塗料と同じく、夏場の室内温度の上昇を防げる効果があります。

断熱塗料が遮熱塗料と違うのは、室内の温度も外に伝わりにくいという点です。この性質によって、冬場は暖房の暖かさを外に逃すことなく、快適に過ごすことができます。

低汚染性

低汚染姓とは、塗装した面に汚れが付きにくい機能で、親水性という水と馴染みやすい性質を持っているのが特徴です。

もし外壁に汚れが付着した場合でも、親水性が高さによって外壁と汚れの間に雨が入り込み、雨と一緒に汚れを洗い流してくれます。

防藻・防カビ性

防藻・防カビ性は、藻やカビが発生しにくくなる機能です。

藻やカビは美観の低下、建材の腐食などにも繋がる恐れがあります。特に、日当たりが悪い部分や湿気が多い場所では繁殖しやすいため、防藻・防カビ性を持つ塗料が適しています。

耐火性

耐火性は火に強い性質のことで、耐火塗料を使うことで火災時の延焼を最小限に抑えられる効果があります。

戸建て住宅にはあまり使用されませんが、大型施設や倉庫、向上などでは一般的に用いられています。

耐候性

耐候性とは、紫外線や雨風などの天候がもたらす劣化が発生しにくい機能のことです。

通常は、紫外線や雨風の影響を受け続けると、チョーキング現象や色褪せなどが現れるようになります。ですが、耐候性の高い塗料を使用した外壁であれば、劣化するスピードを遅らせることが可能となり、長期にわたって綺麗な状態を維持できるようになります。

塗料を選ぶときのポイント

外壁・屋根塗装で使われる塗料の数はとても多いため、どのように決めればいいのか迷っている方も多いでしょう。ここでは塗料を選ぶときのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

価格と耐用年数から選ぶ

塗料を選ぶ際は、まず「価格」と「耐用年数」のどちらに重点を置くか?がポイントとなります。

できるだけ安く済ませたいという場合は、アクリル塗料やウレタン塗料などの安価な塗料が選択肢として挙げられます。また、耐久性が高い塗料を希望する場合は、フッ素塗料や無機塗料などが最適と言えます。

ただし、安価な塗料は耐久性が低く、塗り替えの頻度が多くなるので注意が必要です。1回の塗装工事にかかる費用は安く抑えられますが、フッ素塗料や無機塗料と比べると塗り替え回数が増えてしまい、長期的にみるとコストパフォーマンスが低くなる可能性があります。

冒頭の「塗料の種類別の単価と耐久性」でも紹介しているとおり、塗料の価格と耐用年数は反比例しますので、塗装を行う目的や重視するポイントを明確にし、将来的にどのくらい住み続けるのかといった点も考慮して選ぶことが大切です。

塗料の機能を確認する

上述したように、製品によっては特殊な機能が付いた塗料もあります。

例えば、汚れの付着が気になる場合は、汚れにくい性質がある低汚染性塗料が適しています。夏場の暑さを軽減したい方には、熱が伝わりにくくなる遮熱性・断熱性を持った塗料がオススメです。

複数の機能を兼ね備えた製品もありますので、日頃の生活で困っていることや塗装する目的にあわせて検討してみるといいでしょう。

カラーバリエーションを確認する

外壁・屋根塗装を行ううえで、塗料の色やデザインもとても重要なポイントです。

カラーバリエーションは製品によって異なるため、イメージする色がある場合は事前に業者に伝え、塗料のメーカーのカタログや色見本などを見て、どのような色が揃っているのかを確認しておくようにしましょう。

また色選びに関しては、次に3点を意識するようにしましょう。

・家全体のバランスを見る
・周りの建物や街並みに調和した色を選ぶ
・実際に外壁に塗った時の見え方を考える

外壁・屋根塗料の色選びをする際は、ただ好みの色を選ぶのではなく、付帯部やドアの色、庭の雰囲気などにもマッチした色を選ぶことが大切です。外壁・屋根以外の部分にも合った色を選ばないと、家全体のデザイン性が損なわれてしまいます。

また、周囲の建物や街並みに調和した色を選ぶことも重要です。例えば、洗練された落ち着いた雰囲気の住宅街で赤やピンクなどの派手な色を使うと、周りから浮いた印象になってしまうでしょう。

そして最後に、実際に外壁に塗った時の見え方を考える必要があります。色は面積の大小によって見え方が変わり、面積が大きくなるほど明るい色は明るく、暗い色は暗く見えます。

そのため、カタログの小さな面積だけで色を決めると、外壁のような大きな面積に塗装したときに思っていたよりも明るく派手に見えたり、反対に暗すぎて見えてしまう可能性があります。

このような事態を防ぐためにも、業者にA4サイズ程度の色見本を用意してもらって太陽光の下でチェックしたり、外壁の目立たない部分に試し塗りしてもらうようにお願いをして、実際に外壁に塗装したときの色や艶の見え方を把握しておくことが大切です。

迷ったらシリコン塗料がオススメ

「塗料の種類が多くて決められない」「一般的な塗料で十分」といった場合には、シリコン塗料がオススメです。

シリコン塗料は外壁・屋根塗装で使われる塗料として主流のタイプで、価格と耐用年数のバランスも良いです。そのため、塗料選びで悩まれている方は、まずシリコン塗料を選んでおけば間違いありません。

シリコン塗料に絞ったうえで複数社から見積りを取ることで、その業者が扱っている製品の性能や詳細な単価なども比較しやすくなるでしょう。

塗料に関するよくある誤解

誤解1.メーカー発表の耐久年数は、実際の家でテストした数値ですよね?

違います。外壁塗装の耐久年数は、壁の材質、日光の当たり具合、周りの環境などに左右されるので、全く同じ状況の家はありません。そのため、実際の家に塗ってテストした耐久年数ではなく、各メーカーが機材を使って負荷をかけて耐久テストをした年数になります。

誤解2.耐久年数とは、この年数まで劣化しないってことですよね?

違います。期待耐久年数まで一切劣化せず、この年数になってから劣化が始まると誤解している方も多いです。外壁塗装は塗ったその日から劣化は進みますので、ギリギリこの年数まで耐久できるという年数です。

各塗料の種類別シェア

2018年現在で、使用塗料の割合いはこの図のようになります。新しい塗料も増えてきていますが、シリコンのシェアが約7割と圧倒的に多いです。今最も注目されているのが、2012年の終わり頃に発売されたラジカル制御型塗料で、最近シェアを伸ばし約15%まできています。


※シリコン系の遮熱塗料などは、シリコンに含んでいます

塗料に関するお役立ちコンテンツ

当サイトに参加している優良業者に、自分の家を塗装すると仮定してどの塗料を使うか選んでもらった結果を公開。これを見れば本当に人気の塗料が分かります。

塗料の種類別の詳細

新しいピュアアクリルなどの特殊な塗料以外はもう使用されない。

付帯部以外では、ほとんど使用されない。シリコンの前に主流だった塗料。

耐久年数と価格のバランスがよく最も使われている塗料。

今、最も注目されているされている塗料。値段がシリコンと同等で、耐久性がシリコンとフッ素の間。

耐久性も高いが、値段もかなり高い。外壁はシリコン、屋根はフッ素という使われ方をする。

太陽の光で汚れを分化し、雨の水で洗い流す特殊な機能がある。耐久性も長いが、単価も高い。

塗料のグレードの中で最も高く、耐久性も最も高い。新しい塗料で注目されている。

塗料選びに役立つ知識

設計単価や出荷証明など業者でなければ知らないような言葉について説明しています。また、良くある質問にも回答しています。

塗料メーカー一覧

日本ペイント株式会社
明治14年に創業された日本初の塗料メーカーです。住宅の塗料では、ハナコレクション、遮熱塗料サーモアイ、ラジカル制御塗料パーフェクトトップなどがあります。

関西ペイント株式会社
現在日本の塗料業界において第一位の売上を誇る業界屈指の総合塗料メーカーです。住宅塗料では、アレスセラシリーズ、多少の雨でも塗装できるラジカル制御塗料ダイナミックTOPなどがあります。

エスケー化研株式会社
昭和30年の創業の塗料メーカー。ロングセラーのクリーンマイルドシリーズや遮熱塗料クールタイトシリーズ、ラジカル制御塗料プレミアムシリコンが人気です。

ロックペイント株式会社
昭和27年に創業した、自動車などの車両塗料で有名な塗料メーカーです。住宅の塗料でも、ユメロックや遮熱塗料シャネツロックなど人気の塗料もあります。

水谷ペイント株式会社
大正11年創業した塗料メーカーです。フッ素塗料ナノコンポジットWや、遮熱塗料の快適サーモシリーズが人気です。「屋根は水谷しか使わない」という職人さんもいます。

株式会社日進産業
昭和52年創業の塗料メーカー。JAXAの持つ「ロケットにおける断熱材技術」を応用した断熱材「GAINA(ガイナ)シリーズ」の開発・販売で注目を集めています。

中国塗料株式会社
大日本塗料株式会社
日本特殊塗料株式会社
神東塗料株式会社
菊水化学工業株式会社
株式会社トウペ
スズカファイン株式会社
川上塗料株式会社
イサム塗料株式会社
アトミクス株式会社
AGCコーテック株式会社
大同塗料株式会社
株式会社ピアレックステクノロジーズ
TOTOオキツモコーティングス株式会社

私共がコンテンツを作成・監修しています!

外壁塗装アドバイザー
鈴木良太

幼い頃に一緒に住んでいた祖母が、悪徳業者に騙されたことが当サービスを始めるきっかけになる。2011年に業界初のネット仲介サイト「外壁塗装110番」を立ち上げ、塗装に悩む1万人以上のお客様の相談に対応。

株式会社カルテット
代表:宇野清隆

職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。

株式会社児玉塗装
代表:児玉圭司

名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。

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