ハウスメーカーの危険な見積書の例一覧
鈴木良太【外壁塗装110番 代表】
幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。
宇野清隆【株式会社カルテット 代表】
職人暦20年、他の塗装店にも技術などを教えるプロ中のプロ。日本ペイント、アステック、その他の大手塗料メーカーから全国1位の実績と表彰。審査の厳しいホームプロでは、毎年顧客満足優良店に選ばれる。
児玉圭司【株式会社児玉塗装 代表】
名古屋市で地元のお客様に愛されて50年。児玉塗装の3代目。16歳の若さで塗装業入りし、趣味も特技も塗装。圧倒的な知識と技術でお客様からの満足度も高い。
多くはありませんが、ハウスメーカーでも危険な見積書を提示してくることはあります。仲介マージンがかかるので高額になることが多いです。
大手ハウスメーカーでシリコンでも面積が大きく出され450万円を越える例
述べ床面積が43坪と少し大きめの住宅ですが、シリコン系の塗料で450万円はありえません。塗装専門店に依頼すれば、150万円前後になるはずです。塗料の単価は相場ですが、外壁の面積やシーリングの面積が大きく出されているためこの金額になっています。
このような高すぎる見積書を貰った場合は、あと1~2社見積りを取り比較することをお勧めします。
建物情報
種類 | 一戸建て2階建て | ![]() |
規模 | 述べ床面積43坪 | |
築年数 | 10年 | |
塗替え間隔 | 10年(初めての塗装) | |
見積書の有効期限 | 3ヶ月 | |
お支払い方法 | 契約後30%、着工10日後50%、完工後20% | |
保証 | 10年 |
見積書の危険度
95% | 費用 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
面積 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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塗料品質 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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支払い方法 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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保証 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
実際の見積書
テレビCMもやっている大手のハウスメーカーの見積書です。細かく書かれていますが、色々とおかしな点があります。ハウスメーカーだから安心と思っている方も多いですが、このようにありえない高い場合もありますので注意が必要です。
No | 名称 | 摘要 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
(1) | 仮設工事 | |||||
外部足場 | 423.0 ※1 | m2 | 850 | 359,550 | ||
飛散防止ネット | 安全対策・飛散防止 | 376.0 | m2 | 250 | 94,000 | |
昇降階段 ※2 | 1.0 | 式 | 20,000 | 20,000 | ||
外部配線防護管 ※2 | 1.0 | 式 | 18,000 | 18,000 | ||
安全対策費 ※2 | 巾木・小幅ネット | 1.0 | 式 | 35,000 | 35,000 | |
※電気・水道は既設を利用 | ||||||
小計 | 526,550 | |||||
(2) | 屋根塗装工事 | |||||
屋根洗浄 | 91.0 | m2 | 300 | 27,300 | ||
屋根下地処理 | 下地シーラー1回塗り | 91.0 | m2 | 400 | 36,400 | |
屋根塗装 | ヤネフレッシュ2回塗り | 91.0 | m2 | 1,850 | 168,350 | |
屋根鋼板塗装 | 棟換気・棟谷鋼板 | 30.0 | m | 800 | 24,000 | |
小計 | 256,050 | |||||
(3) | 外壁塗装工事 | |||||
外壁洗浄・外部洗浄 | 外壁・サッシ・玄関 | 427.0 ※4 | m2 | 300 | 128,100 | |
外壁下地処理 | 下地シーラー | 329.0 ※4 | m2 | 400 | 131,600 | |
外壁・バルコニー腰壁 | 水性シリコン2回塗り ※3 | 329.0 ※4 | m2 | 1,950 | 641,550 | |
バルコニー下部・玄関 天井・テラス天井塗装 |
下地シーラー 水性シリコン2回塗り ※3 |
26.0 | m2 | 2,350 | 61,100 | |
シャッターBOX | ウレタン塗装 | 7.0 | ヵ所 | 3,000 | 21,000 | |
雨樋塗装 | ウレタン塗装 ※5 | 82.0 | m | 950 | 77,900 | |
破風塗装 | ウレタン塗装 ※5 | 35.0 | m | 1,200 | 42,000 | |
フード・ベントキャップ | ウレタン塗装 ※5 | 1.0 | 式 | 15,000 | 15,000 | |
基礎鋼板水切り塗装 | ウレタン塗装 ※5 | 32.0 | m | 1,200 | 38,400 | |
車庫壁・天井塗装 | 下地シーラー 水性シリコン2回塗り |
22.0 | m2 | 2,350 | 51,700 | |
小計 | 1,208,350 | |||||
(4) | 外壁シーリング工事 | |||||
打ち替え | 1液変性シリコン ※6 | 681.0 ※7 | m | 980 | 667,380 | |
防汚プライマー | 下地処理 | 681.0 ※7 | m | 150 | 102,150 | |
雑シーリング | 貫通部・フード廻り | 1.0 | 式 | 18,000 | 18,000 | |
小計 | 769,530 | |||||
(5) | 雑工事 | |||||
一般養生費 | サッシ・玄関・他 | 1.0 | 式 | 48,000 | 48,000 | |
小計 | 48,000 | |||||
(6) | 発生材処分費 | |||||
産業廃棄物処分費 | 1.0 | 式 | 30,000 | 30,000 | ||
小計 | 30,000 | |||||
(7) | バルコニーシート工事 | |||||
バルコニーシート防水 増し張り |
下地処理 | 26.0 | m2 | 1,800 | 46,800 | |
平場 | シート防水増し張り t=2.0mm | 26.0 | m2 | 8,650 | 224,900 | |
立上り | シート防水増し張り t=2.0mm | 52.0 | m | 2,100 | 109,200 | |
立上りシート及び 押え金物撤去 |
52.0 | m | 1,650 | 85,800 | ||
シート押え金物入隅 | 新規取り付け | 14.0 | ヵ所 | 1,500 | 21,000 | |
シート押え金物 | 新規取り付け | 54.0 | m | 2,450 | 132,300 | |
トレイン改修 | 排水ドレインメンテ | 7.0 | ヵ所 | 16,800 | 117,600 | |
シート入り隅押え | コーナーパッチ | 14.0 | ヵ所 | 950 | 13,300 | |
バルコニー床洗浄 | バルコニーマット撤去・復旧 | 1.0 | 式 | 35,000 | 35,000 | |
室外機下張り込み | 1.0 | 式 | 25,000 | 25,000 | ||
小計 | 810,900 | |||||
(8) | 防蟻工事 | |||||
床下消毒工事 | 5年保証 | 20.0 | 坪 | 7,500 | 150,000 | |
スラブ処理 | 玄関穿孔注入処理 | 1.0 | 式 | 15,000 | 15,000 | |
小計 | 165,000 | |||||
(1)~(8)合計 | 3,814,380 | |||||
諸経費 | 10% ※98 | 381,438 | ||||
合計 | 4,195,818 | |||||
消費税 | 8% | 335,665 | ||||
端数値引き | △31,483 | |||||
総合計 | 4,500,000 ※9 |
アドバイザーが解説!チェックするべきポイント

※1 足場の面積が大きく、飛散防止ネットを含めると単価も高い
仮設足場の面積が423.0m2なので、述べ床面積が43坪の建物にしては大きすぎる可能性があります。単価も飛散防止ネットが別に250円かかるので合計すると少しだけ高いです。足場の計算方法はこちら。
※2 戸建てには必要ない費用が入っている
戸建て住宅で、昇降階段、外部配線防護管、安全対策費この費用を取る会社はあまり見たことがありません。
※3 詳細な塗料名が書いていない
外壁の塗料名が書かれていません。水性シリコンだと、セラミクリーン(エスケー化研)、DANシリコンセラ(日本ペイント)などの単層弾性塗料の可能性があります。単層弾性塗料が悪いわけではないが、一般的なシリコンに比べ耐久年数は半分くらいなので注意が必要です。
※4 外壁の面積が大きすぎる
外壁とバルコニー腰壁の面積が一緒になっていますが、それにしても塗る部分の面積が大きすぎる可能性があります。外壁の塗り面積の計算方法はこちら。塗る部分の面積と塗料の単価をかけて金額を計算するので、面積が大きいと費用も高くなります。
※5 防水以外でウレタンと書かれていた注意
最近では、付帯部分でもウレタンは使わなくなってきているので注意が必要。仮にウレタン塗料を使うとしても塗料名が書いてあるほうが良い。
※6 シーリングでも商品名が書かれていないのは注意
シーリング材の1液変性シリコンと言っても種類は複数あります。そのため、商品名まで書かれている見積書の方がいいです。
※7 シーリングの面積が大きすぎる
延べ床面積43坪にしては、シーリングの数量が681m2と大きすぎます。
※8 諸経費が高すぎる
諸経費が何に使われる費用なのかが書かれてなく、40万円を近いので注意が必要です。
※9 総額が高すぎる
2階建て述べ床面積43坪で、合計金額が450万円は高すぎです。その割りに良い塗料が使われているわけでもないので注意が必要です。
「うちに来た業者と似ている…」と思った方へ
このような事例に当てはまる場合は、即決しないことをオススメします。1社だけの見積りだとその金額が適正なのか判断が難しいです。
外壁塗装は、成功も失敗も業者選びにかかっています。どんなに良い塗料を使っても手抜き業者が塗装すると、塗料が持つ耐久年数を発揮できません。また、安過ぎず高過ぎず適切な価格があるので、必ず複数社に見積りを取り比較することをオススメします。複数の優良塗装業者から見積もりを取りたい場合はコチラへ。
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