幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。
ベランダや屋上に水が溜まる原因と補修方法
通常、ベランダや屋上に降った雨は排水口へ流れて外に排水されるため、水が溜まるということはありません。もしベランダや屋上に水溜りができている場合は、何らかの不具合が起きていると考えられます。
このページでは、ベランダや屋上に水が原因や放置するリスク、補修方法などについて説明いたします。
ベランダや屋上に水が溜まる原因
ベランダや屋上に水が溜まる原因は主に2つあります。
排水口にゴミや落ち葉が詰まっている
排水口にゴミ、落ち葉、砂、泥などの異物が詰まっていると、ベランダや屋上に水溜りができることがあります。
なぜなら、雨水は排水口から外部へ排水されるため、排水口が詰まっていると排水の妨げになり、雨水が流れにくくなってしまうからです。
排水口の詰まりが原因で水溜りができている場合は、排水口を詰まらせている原因である異物を掃除することで状況を改善できます。
特にガーデニングを行っていると落ち葉や土などが詰まりやすくなるので、日頃から定期的に掃除をして排水口を詰まらせないようにすることが大切です。
ただし、排水口の奥まで手やホウキ等を入れすぎるとケガをしたり、排水口を傷つけてしまう可能性もあるので気を付けて作業するようにしましょう。
勾配が不足している
ベランダや屋上の床の勾配が不足している場合も、水溜りが発生する可能性があります。
通常、ベランダや屋上の床には勾配が付いており、雨水が排水口に向かって流れていくように設計されています。
しかし、勾配が不足していると雨水が排水口へ流れて行かずに、その場に溜まっていってしまいます。
また勾配不足が起きる原因としては、新築時や改修工事の際の施工不良、建物全体が経年劣化や地盤沈下によって傾いているといったことが考えられます。
いずれにせよ勾配不足は自力で解決できる問題ではないため、専門の業者に依頼して勾配を付けてもらう必要があります。
メンテナンスの必要性
ベランダや屋上に水が溜まっている場合は、早めのメンテナンスが大切です。
なぜなら、水が溜まっている状態が長時間続くと、防水層の劣化を早めてしまう原因になってしまうからです。
さらに、防水層の劣化が進むと防水機能が低下するため、溜まった水が隙間や亀裂から内部に入り込む恐れがあります。
また、周囲の外壁にも水が染み込んでしまうと外壁材や柱なども傷み、大掛かりな改修工事が必要になる可能性もあります。
水が溜まっているのを放置していると雨漏りが発生したり、建物全体の耐震性にも影響が出てくるので注意しましょう。
水が溜まっている時の補修方法と費用
水が溜まっている場合の補修方法や費用は、状況によって異なります。
新たに勾配を付ける必要がある場合
水が溜まる原因が勾配不足の場合は、新たに勾配を付ける必要があります。
補修の流れとしては、既存の防水層を一旦撤去してから、きちんと水が排水口へ流れるようにモルタルを塗って勾配を調整し、勾配の調整が完了した後に新たな防水層を形成します。
費用は範囲によっても変動しますが、10万円~30万円程度です。
トップコート塗り替えが必要な場合
水が溜まったことによってトップコートが劣化している場合は、トップコートの塗り替えを行います。
トップコートは防水層の上に塗装されているもので、紫外線から防水層を保護する役割があります。
トップコート自体に防水性があるわけではありませんが、もしトップコートの劣化を放置していると防水層を保護する機能も失われるため、結果的に防水層の劣化に繋がってしまいます。
トップコートの㎡あたりの単価は次の通りです。費用は防水層の種類によって異なります。
工法の種類 | ㎡あたりの単価 |
ウレタン防水 | 2,000~2,500円/㎡ |
FRP防水 | 2,500~3,000円/㎡ |
シート防水 | 900~2,000円/㎡ |
アスファルト防水 | 1,000~3,000円/㎡ |
防水層の改修工事が必要な場合
勾配の調整が広範囲にわたる時や防水層の劣化が著しい場合は、防水層の改修工事が必要になります。
防水層の種類や施工方法には様々なものがあるため、既存の防水層の種類や施工場所などを考慮して、適切な工法を選ぶことが大切です。
以下は、工法別の㎡あたりの単価です。
工法の種類 | ㎡あたりの単価 |
ウレタン防水 | 4,500~7,000円/㎡ |
FRP防水 | 5,000~8,000円/㎡ |
シート防水 | 4,000~7,500円/㎡ |
アスファルト防水 | 5,000~8,000円/㎡ |
まとめ
ベランダや屋上に水が溜まっている状態を放置していると防水層の劣化を早めるため、最終的には雨漏りが発生してしまいます。
また、浸入した水はベランダや屋上だけではなく、建物全体に影響を及ぼす恐れもあるので注意が必要です。
水が溜まる原因は、排水口の詰まりや勾配の不足といったことが考えられ、排水口の詰まりが原因の場合は日頃から排水口や床を掃除をすることで改善できます。
勾配の不足は専門の業者でなければ解決できないので、水が溜まる状況が続くようであれば一度業者に見てもらうようにしましょう。