幼少の頃、二世帯住宅に住んでいた祖母が悪徳業者に騙されたのをきっかけに外壁塗装110番を立ち上げました。累計20,000件を超えるお客様からの相談や、一級塗装技能士の資格を持つプロの職人に話を聞き、より正確な情報を掲載できるよう心掛けています。
防水層の膨れの原因と補修方法
建物は常に紫外線や雨風の影響を受けているため、年月の経過とともに劣化していきます。
そして、ベランダや屋上の防水面も例外ではなく、劣化が進行するとひび割れや剥がれなどの症状が現れるようになります。
このページでは、防水層の膨れが起きる原因やメンテナンスの必要性などを説明しています。また、膨れを防ぐことができる「通気緩衝工法」についても併せて紹介いたします。
防水層の膨れが発生する原因
防水層の膨れが発生するのは、防水層内部に入り込んだ水分が原因です。
内部に浸入した水分は蒸発して湿気となり、その湿気が外に逃げ出そうとすると防水層が膨らんでいきます。
また、防水層内部に水分が浸入する理由は主に2つあります。
1つ目は、経年劣化よって生じた亀裂や隙間から水分が入り込んでしまうケースです。
そして2つ目は施工不良です。
例として「高圧洗浄後の乾燥が不十分だった」「下塗りの塗装が不十分だった」「防水材を分厚く塗りすぎた」などとったことが挙げられます。
ウレタン防水の通気緩衝工法で膨れは防げる
防水層の膨れは、ウレタン防水の通気緩衝工法を行うことで防ぐことが可能です。
通気緩衝工法とは、無数の穴が空いた通気緩衡シートを下地に敷き、さらに脱気筒も取り付けた状態でウレタン樹脂を塗装していく工法です。
前述の通り、膨れは下地に溜まった水分が原因で発生しますが、通気緩衝工法は通気緩衡シートで下地の通気性を確保しつつ、脱気筒で水分を外へ逃がす効果があるため膨れを防ぐことができます。
下地に密着するように防水層を形成する密着工法に比べて、費用は多少高くなりますが、下地に水分が含まれている場合や古い建物などには有効な工法です。
メンテナンスの必要性
防水層の膨れが起きている場合は、早めのメンテナンスが大切です。
なぜなら、膨れは防水層をさらに劣化させてしまう原因にもなり、防水層の剥がれや雑草やコケの繁殖などにも発展するからです。
また、防水層が膨れるということは下地に水分が溜まっている状態であると言えるため、滞留している水分が建物内部にも浸入して雨漏りに繋がる恐れもあります。
防水層の膨れの補修方法と費用
防水層の膨れを補修する方法は主に2つあります。
脱気筒を設置する
膨れの範囲が小さい場合は、脱気筒を設置して膨れを抑えます。脱気筒には、溜まった水蒸気を外に逃がす役割があります。
脱気筒は1箇所あたり10,000~15,000円程になり、費用は膨れの範囲や施工場所の広さによって異なります。
防水層の改修工事
膨れ以外にも剥がれやひび割れなども起きている場合は、防水層の改修工事が必要になります。
改修方法や工法はいくつかあるため、下地の状態や施工場所などを考慮して適切なものを選ぶことが重要です。
以下は、工法別の㎡あたりの単価です。
防水層の種類 | ㎡あたりの単価 |
ウレタン防水 | 4,500~7,000円/㎡ |
FRP防水 | 5,000~8,000円/㎡ |
シート防水 | 4,000~7,500円/㎡ |
アスファルト防水 | 5,000~8,000円/㎡ |
まとめ
防水層の膨れは、下地に溜まった水分が湿気となり、その湿気が外部に逃げ出そうとすることで発生します。
膨れは防水層の剥がれや雨漏りなどにも繋がる可能性があるため、早めのメンテナンスが必要です。
早期に補修することで防水層の劣化が進行するのを抑えられ、メンテナンス費用も安く済ませることが出来るので、膨れを見つけたらまずは専門の業者に相談するようにしましょう。